羊と言えばジンギスカン。北海道の郷土料理として広く浸透しているジンギスカンですが、使われている羊肉のほとんどはオーストラリア産やニュージーランド産です。
羊肉の国内自給率は1%未満で、そのうち北海道の羊肉生産量は約70%を占めており、現在70t前後で推移しています。しかし、北海道の羊肉は外国産と比べると市場価格が高いため、高級食材として首都圏などに流通しているのが現状です。
先日、釧路管内白糠町の茶路めん羊牧場で約300頭の羊を飼育し、羊肉、羊毛、羊皮を生産・販売している武藤浩史さんのお話を伺う機会を得ました。
武藤さんによると、昭和30年代前半には全国で約100万頭の羊が飼われていたそうで、その後10年あまりで食べつくされ昭和40年代前半には約1万頭まで減ってしまったとのこと。その結果、羊肉の自給率が極端に低下し、現在では国産の羊肉が精肉店の店頭に並ぶことはほとんどないそうです。
茶路めん羊牧場の年間生産量は5t程度であり、その8割は既存のお得意様に供給されているのが実情とのこと。しかし、全国の羊肉ファンのニーズにお応えするために、本当に美味しい羊肉を家庭で味わって頂けるように日々努力を重ねているそうです。
ところで、羊肉は食品としての利点をたくさん持った理想的な食材であることは、意外と知られていないようです。一口で言うと、高タンパクで低カロリー、ミネラル分が豊富でコレストロール値も低い、しかも身体を温める作用などもある栄養価の高いヘルシーな食材です。そんなことから、近年、ダイエットにも向いているということで注目を集めています。
しかし、国民一人当りの羊肉の消費量は牛肉、豚肉、鶏肉などに比べるとわずかであり、食材としての素晴らしさを考えると残念な話で、羊肉の消費量を拡大し、国内自給率を向上させるべきではないかと思います。そして、羊は食肉ばかりではなく、羊毛や羊皮としての利用価値も高い訳ですから、もっともっと羊の利用を高めて「羊文化」なるものをこの北海道で構築していく必要があるのではないかと、武藤さんから頂いた美味しいラムのステーキ肉を食べながら思いを馳せました。